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【学会・セミナー】 プロテオ創薬科学部門

2017年08月03日(木)  医学部 第1ゼミナール室

PROSセミナー&大学院特別講義を開催しました

プロテオサイエンスセンター プロテオ創薬科学部門主催 のPROSセミナーを開催いたしました。多くの皆さまのご来場、心よりお礼申し上げます。
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【演題】 抗体特異的標識技術CCAP法を用いた新規抗体医薬品開発
鹿児島大学理工学域理学系・教授
伊東祐二 先生
【要旨】 
我々は、最近、
18残基からなるヒトIgG抗体特異的結合ペプチド試薬を用いて、ヒトIgG抗体(IgG1,2,4)のFc上の特定のアミノ酸残基(Lys248)を修飾するCCAPChemical Conjugation by Affinity Peptide)法を開発した。この方法は、抗体溶液と抗体特異的結合ペプチド試薬を、弱酸性から中性付近のpHにて混合することで、極めて短時間(5分以内)で抗体を標識することが可能である。また、この方法では、結合部位のみならず結合数も2か所と限定されており、修飾による抗体の抗原結合能の低下を引き起こさないといった特徴を持つ。
現在、この技術を用いて、新たな抗体医薬品開発を行っているが、講演では、そのいくつかについて紹介したい。一つは、抗体結合ペプチド試薬に金属キレーターを連結させ、放射性核種(64Cu)を標識することで、担癌マウスのPETイメージングに応用した例を報告する。本手法によって調製された標識抗体を使ったPETイメージ画像は、従来の抗体標識法(アミンカップリング法)によって調製したものに比べ、ガン組織への高い集積が見られた。一方、この手法は、近年、臨床でも使用されるようになっている抗体薬物複合体(ADC)の作製も可能であり、この技術によって調製したADCのガン細胞に対する増殖抑制効果について報告する。現在、抗体医薬品は、脳血液関門(BBB)による移行制限のため、中枢疾患への適用が困難とされているが、CCAP法を用いてBBBを通過させる能力を持つ低分子抗体を抗体医薬品に結合させることで、脳移行抗体医薬品の開発が可能である。最後に、この中枢移行性に関する現在の我々の取り組みについてお話しする予定である。
このCCAP法の医薬品開発への応用展開における課題や可能性について議論いただけたら幸いです。



資料1