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研究 無細胞生命科学部門

2020年06月24日(水)

タンパク質相互作用解析に利用可能な新たなツールを開発

−全タンパク質レベルでの簡便な相互作用解析が可能に−

 愛媛大学理工学研究科博士後期課程3年 城戸康希さん、愛媛大学プロテオサイエンスセンター 山中聡士研究員、澤崎達也教授、野澤彰講師、静岡県立大学食品栄養科学部 伊藤創平准教授、徳島大学先端酵素学研究所藤井節郎記念医科学センター 小迫英尊教授らの研究グループは、タンパク質相互作用解析に利用可能な新たなツールの開発に成功しました。

 タンパク質は生体内において、複数のタンパク質が相互作用することでその役割を果たしているため、タンパク質研究における相互作用解析は欠かせない技術です。近年注目されているタンパク質相互作用解析技術の一つとして近位依存性ビオチン化(BioID)と呼ばれる技術があります。これは相互作用するタンパク質を網羅的にビオチン標識することで、相互作用タンパク質を見つけ出す技術です。この技術にはBioID酵素が必要であり、現在3種類の酵素が報告されています。しかし、それらの酵素は活性の低さや特異性の低さ、細胞への毒性などが問題とされていました。本研究では、それらの問題点を改善した利用しやすいBioID酵素の開発を行いました。コンピューターを用いた進化工学的手法により設計された新たな酵素はAirIDと名付けられ、高い活性と特異性を両立し、毒性も低い酵素であることが確認されました。
 今後、AirIDはタンパク質相互作用に関係する幅広い分野での利用が期待されます。
 この研究成果に関する論文は、日本時間の2020年6月18日付けでeLife誌に「AirID, a novel proximity biotinylation enzyme, for analysis of protein–protein interactions」というタイトルで掲載されました。

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  • 祖先型酵素AirIDによる<br />相互作用タンパク質のビオチン標識

    祖先型酵素AirIDによる
    相互作用タンパク質のビオチン標識