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学会・セミナー 

2019年04月08日(月)18:00より愛媛大学医学部 基礎第一講義室

PROSセミナー&大学院特別講義を開催しました【4月8日(月)】

プロテオサイエンスセンター 細胞増殖・腫瘍制御部門 主催のPROSセミナーを開催しました。今回は、早稲田大学 仙波先生および中山先生の2名よりご講演いただきました。多くの皆さまのご来場、心よりお礼申し上げます。
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講演1
【講演者】
早稲田大学先進理工学部生命医科学科
教授 仙波 憲太郎 先生

【演 題】
「がんにおける遺伝子増幅の意義」

【要 旨】

がんのゲノム異常のひとつとして、複数の遺伝子を含むゲノム領域のコピー数が増加する「遺伝子増幅」という現象が知られている。遺伝子増幅が見られる領域(アンプリコン)にはMYC遺伝子やEGFR遺伝子などの発がんに関わる遺伝子(がん遺伝子)が存在することから、遺伝子増幅は発がんに関わる重要な現象である。アンプリコンに存在するがん遺伝子を「ドライバー遺伝子」というのに対して、その他の遺伝子は「パッセンジャー遺伝子」といい、発がんには関わらない遺伝子と考えられてきた。しかし、パッセンジャー遺伝子の機能を包括的に解析した研究はほとんどなかった。  

乳がんの30%において遺伝子増幅が見られる17q12-21領域には、ドライバー遺伝子としてERBB2(HER2)遺伝子が局在する。私たちはこの領域に存在するERBB2以外の遺伝子がパッセンジャーなのか、発がんに何らかの関与を持つのかを知る目的で、がん細胞の特性を評価するさまざまな系を用いてそれらの機能を調べた。その結果、ERBB2と協調的に形質転換を促進する遺伝子や、浸潤や転移に関わる遺伝子が存在することが明らかになった。このことは、遺伝子増幅がおよぶ範囲の違いによって、HER2陽性乳がんの病態が異なる可能性を示唆する。本セミナーでは、ERBB2と協調する遺伝子のスクリーニングについても紹介し、がんにおける遺伝子増幅の意義とERBB2を軸とする発がんと悪性化の機構について考察したい。

講演2
【講演者】
早稲田大学先進理工学部生命医科学科
助教 中山 淳 先生

【演 題】
「同所性乳がん高転移株の樹立とそのトランスクリプトーム解析」

【要 旨】
転移を伴う進行がんに対する効果的な治療法は未だに確立されておらず、転移の分子メカニズムの解明と治療標的の探索ががん制圧を目指すうえで重要な課題である。これまでに高転移性がん細胞株の樹立とその解析から、転移制御遺伝子の存在が明らかにされてきたが、多段階的に進行する転移機構の全貌を明らかにすることはできていない。


本研究では、自然発生的な転移機構を模倣することが可能である同所性移植手法に着目し、この手法を用いた独自の乳がん高転移株の樹立とその遺伝子発現解析・シグナル解析を行った。その結果、同所性高転移株と従来の血中移植により樹立した高転移株の遺伝子発現プロファイルは大きく異なることが明らかとなり、同所性高転移株に特徴的なシグナル伝達経路が活性化していることがわかった。これらの結果は高転移株樹立に用いる移植手法を変更することで、異なる転移機構に依存した細胞を作ることが可能であることを示した。


本セミナーでは、独自に樹立した高転移株の性質とその転移機構について議論させていただきたい。




PROSセミナーポスター 仙波先生ご講演
PROSセミナーポスター 中山先生ご講演

  • PROSセミナー 仙波先生ご講演

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  • PROSセミナー 中山先生ご講演

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